ロータリーの基礎知識
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−69−現在の寄付と誓約、2013−2020年ポリオ撲滅に各国から支援ポリオ映画アトランタで開催されたロータリーの国際大会期間中、2017年6月12日に「DroptoZero」というイベントが行われましたが、そのイベントの際、世界のリーダーたちは「ポリオのない世界」の重要性を再確認し、これまでの信じられないほどの進展を祝い、ポリオ撲滅までに必要な追加の15億ドルの内、12億ドルの資金支援を約束しました。既に約束されている2013−2017年分の資金に、今回の新たな12億ドルを加えても、2020までに必要とされる70億ドルには3億ドル足りません。GPEI(グローバルポリオ撲滅委員会)は、残る資金ギャップが完全に調達されるようにパートナーと共に働きかけていきます。アトランタで開かれた2017年ロータリー国際大会で、各国のリーダーがポリオ撲滅に12億ドルの支援を約束しました。ロータリーは、「EndPolioNow:歴史をつくるカウントダウン」キャンペーンを通じてこの先3年間に年間5000万ドルを募金することを目標に掲げました。大会で基調講演を行ったビル・ゲイツ氏は、ロータリーからのポリオ撲滅への寄付に対し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が2倍額を上乗せすることを発表。これにより、ロータリーからポリオプラスへの寄付は3倍となり、3年間で総額4億5000万ドルがポリオ撲滅に投入されることとなります。この資金は、サーベイランス(監視)、症例発生への対応、ポリオ予防接種への支援に充てられます。1958年にポリオに罹患した英国人ロビン・カベンディッシュの生涯を描くByデイブ・キング(グレートブリテンおよびアイルランドの国際ロータリー)体にまひ障害を引き起こすポリオ(急性灰白髄炎)の悲惨さと、障害を抱えながら懸命に生きる男性の実話を描いた新作映画『Breathe(原題)』(邦題『ブレスしあわせの呼吸』が、2017年10月に米国で公開されました(日本では2018年9月7日に全国ロードショー。配給:KADOKAWA)。1958年、英国人のロビン・カベンディッシュは、28歳にしてケニアで野生型ポリオウイルスに感染。首から下が全身不随となり、人工呼吸器をつけて病院で寝たきりとなったカベンディッシュは、医師から余命数カ月との宣告を受けました。そんな彼を救ったのは、妻ダイアナからの励ましと献身的な支えでした。入院生活をやめて自宅に戻ったカベンディッシュは、自身が不随の身でありながらも、余生を身体障害者への支援と人工呼吸器つき車椅子の普及に捧げました。「当時、人びとはポリオを恐れていました。病院にいるはずなのに車椅子で街に出ていた父に、人びとは非難の言葉を浴びせました」息子のジョナサン・カベンディッシュさん。「これほど重度の障害を、それまで誰も見たことがなかったのです。当時、人びとはポリオを恐れていました。病院にいるはずなのに車椅子で街に出ていた父に、人びとは非難の言葉を浴びせました。想像できますか?」「しかし、父は優しく、人の心を動かすことのできるチャーミングな人でした。この映画でもそのように描かれています。まわりの人の気持ちを和ませ、病院にこもっていてはいけないと他の障害者を勇気づけました」

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