ロータリーの基礎知識 第3版
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●theidealofService(奉仕の理念)−6−1.「奉仕の理想」と「奉仕の理念」2.“theidealofService”の訳と意味は?3.asabasisofworthyenterpriseの訳は「有益な事業の基礎として」か?「ロータリーの綱領」の4つの目的の説明的文章は、等しく重要な意味を持ち、また、同時に行動を起こさなければならないものであるというこ“theidealofService”の日本語訳はかつて「奉仕の理想」と訳されていましたが、意味が分かりにくいと云う理由で、現在は「奉仕の理念」と訳されています。確かに「奉仕の理想」の意味は分かりにくいのですが、「奉仕の理念」が分かり易い言葉かというと、こちらもそれほど分かり易いものではありません。そもそも「理念」という言葉が抽象的なのです。因みに「理念」を国語辞典で調べると「事業・計画などの根底にある根本的な考え方」と説明があり、使用例としては「創業の理念」が例示されています。確かに「創業の理念」であれば我々経営者にとっても身近な言葉です。「経営理念」という言葉で使われることもあります。私の場合、「当社の経営理念は『印刷を通じて文化の向上に寄与する』」と答える訳です。質問形で、「御社の経営理念は何ですか?」と使われることもあります。すると「奉仕の理念とは何ですか?」と聞くことも可能ですし、聞かれれば答えられないといけないのです。ところが、「『奉仕の理念』とは何ですか?」と聞かれるとなかなか答えにくいのが現実です。「奉仕の理想」を「奉仕の理念」と日本語訳を変えただけでは、もやもやは解決しません。“ideal”の意味はaperfectexampleofwhatsomethingshouldbelike.であり、例文としてAreouridealsofbeautychanging?が載っています。Oxfordの英英辞典ではidealofsomethingとして、apersonorthingthatyouthinkisperfectの意味であり、例文としとにRI理事会の意見が一致しています(章典26.020)。てItʼsmyidealofwhatafamilyhomeshouldbe.が掲載されています。また、東大阪みどりRCの掲載している例文にはtheidealofEnglishgentleman(「英国紳士という概念の中で最高のもの=英国紳士の典型」であり、「英国紳士の(抱く)理想」ではない:東大阪みどりRC、但し、()内は小生追加)があります。すると“theidealofservice”は「サービスの極致、サービスの最良(最高)のもの、(最良)最高のサービス」と訳すのが適当ではないかと思います。“worthy”を語意通りに「価値のある」と訳し、“enterprise”は東大阪みどりRCが指摘しているように、不可算名詞として用いているので、「企業」でなく「企業活動」または「企業経営」と訳すものと思います。例文ではpreferprivateenterprisetona-tionalization(国営化するより民営の方を好む)というものがあります。これらを勘案すると、「価値ある企業経営の根底として」と訳すと分かりやすいのではないでしょうか。また、第2760地区ガバナーが2009年7月のガバナー月信で指摘したように「『事業の基礎』として『奉仕の理想』を鼓吹し育成する」、というつながりも分かりにくいと思います。通常、「事業の基礎」となるものは、例えば「優秀な人材」、「豊富な資金・資材」、「高度な技術」、「優良な協力企業」等々ですので、「事業の基礎」としての「奉仕の理想」というつながりは私も理解に苦しむところです。この点からも「事業の基礎」は「企業経営の基礎あるいは企業経営の根底」と訳し、「奉仕の理想」は「(最良)最高のサービスあるいは製について

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