●ロータリーのモットー−8−1.Serviceの訳は「奉仕」か?2.Selfの訳は「我」か?ご承知のようにロータリーのモットーには二つあり第一モットーが「ServiceaboveSelf.超我の奉仕」であり、第二モットーが「Oneprofitsmostwhoservesbest.最もよく奉仕するもの最も多く報いられる」です。「超我の奉仕」とは単純には「私を超えた奉仕」ですから「滅私奉公」になりそうですが、そうならないことは皆様ご承知の通りです。それではどういう意味か。私は原文に戻って読解を図りました。これから日本語と英語が混ざり合いますので、読みにくいと思いますが、我慢してお付き合いください。“service”を英英辞書で引くとabusinesswhoseworkinvolvesdoingsomethingforcustomersbutnotproducinggoods;theworkthatsuchabusinessdoes.とあります。また、例文としてWeguarantee(an)excellentservice.という例文も載っていました。すると“service”の訳は、「ただ働き」あるいは「仕え奉る」という意味を連想させる「奉仕」と訳すよりも「サービス、役務、用益、仕事」と訳す方が相応しいように思います。私はロータリーの用語の中で一番難解なのは、この「奉仕」という言葉だと思います。「奉仕」という言葉は、どうしても「滅私奉公」や「自己を犠牲にして人や組織に尽くすこと」を連想させますので、これが一番曲者となります。仮に「奉仕」と訳しても、「只働きから職業としての仕事」まで含めた広い概念として捉えないと、迷路に陥ると思っております。因みに、「5大奉仕」の原文は“FiveAvenuesofService直訳は「サービスの5つの道」”であり、「クラブ奉仕」、「職業奉仕」、「社会奉仕」、「国際奉仕」、「青少年奉仕」の原文はそれぞれ、“ClubService”,“VocationalService”,“CommunityService”,“InternationalService”,“YouthService”です。クラブにおいても、職業においても、地域社会においても、国際においても“Service”という言葉を使っているので、“Service”はかなり広い意味を持っているものと思います。そうするとそれぞれの意味は、“Service”が行われる場所の違いによって「クラブ運営」、「職業」、「地域社会のための活動」、「国際的な支援活動」、「青少年育成」と異なる訳にした方が理解しやすいのではないでしょうか。「奉仕」という言葉が分かりにくい(特に「職業奉仕」)理由は、“Service”の持つ広い意味を、「奉仕」というどちらかというと狭い意味の言葉で訳しているからだと思います。因みに、バーミンガム(英国)の世界大会に参加した時のことです。会場までの交通手段として電車を利用しました。電車が発車した後のプラットフォームの掲示に「NextServiceinThreeMinutes」と出ていました。これは「次の『運行』は3分後です」という意味だと思います。これを見ても“service”の訳は単純に「奉仕」と訳すだけでなく、使われ方によって様々に訳さないといけないのではないかと思います。同様に“self”を英英辞書で引くと、(formal)yourownadvantageorpleasureratherthanthatofotherpeople.例文としてShedidn’tdoitforanyreasonofself.Aselfishpersonputsselffirst.があります。これを読むと、全人格を意味する「我」と訳すよりも「私利私欲」と訳す方が相応しいように思います。因みに、決議23−34(「社会奉仕に関する1923年の声明」、2022年版手続要覧P3)でも“ServiceaboveSelf.”に関して、「ロータリーは一つの人生哲学であり、利己と利他の調和である」と述べられています。
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