ロータリーの基礎知識 第3版
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−24−●大連RCのロータリー宣言担や義務の厳密な範囲を越えて、サービスを付け加えること。第7条専門職種または企業経営者の最も大きい財産の一つこそ、友人であり、友情を通じて得られたものこそ、卓越した倫理にかなった正当なものであることを理解すること。第8条真の友人はお互いに何も要求するものではない。利益のために友人関係の信頼を濫用することは、ロータリーの精神に相容れず、道徳律を冒涜するものであると考えること。第9条社会秩序の上で、他の人たちが絶対に否定するような機会を不正に利用することによって、非合法的または非道徳的な個人的成功を確保することを考えてはならない。物質的成功を達成するために、他の人たちが道徳的に疑わしいという理由から採らないような、有利な機会を利用しないこと。公式訪問の際に出会った格調高い文章をご紹介致しましょう。それは「大連RCの『ロータリー宣言』(以下、「ロータリー宣言」)」です。私は、この「ロータリー宣言」が戦前にあったことは承知していましたが、今日の年度計画書に「ロータリー宣言」を掲載しているクラブがあることを知り驚きましたし、また感銘もしました。三郷中央RCと三郷ウェンズデイRCの年度計画書です。「ロータリー宣言」は、大連RC会員古沢丈作氏の作で、ロータリーの綱領を翻訳という方法によらないで日本風に表現したものです。この宣言に関して次のような議論があったと、「ロータリー日本五十年史」に書かれています。1936年(昭和11年)に神戸で開かれた第70地区(日本・朝鮮・満州)大会で、神戸クラブの直木太一郎氏が「大連RCの『ロータリー宣***言』は日本文として適切にロータリー精神を表わしているからこれを第70地区の宣言にしたい」との動議を提出した。これに対し米山梅吉氏は「国際ロータリーにおいて厳粛に決定せられているロータリーの綱領は一言一句の変更も許されぬ」と言ったが、京都の田辺隆二会長は「それは英文で決められているもののことで、その他にその精神を日本文で表わすものがあってよい、また英文は誤解を抱かれ易くそれも逐次訳でなければならぬこともない」と反論し、……村田前ガバナーもまた「この大連クラブの宣言を見出して推奨したのは他ならぬ自分であって、これは立派なものだからこれを英訳してロータリーの綱領を改正するようシカゴ本部へ提案したらどうか」、と言ったので議論が沸騰してどうなることかと思われたが、大阪の里見純吉氏は「この提案は綱領の変更ではなくそれを補充説明するものとして採用したいというものだ」と賛成し、神戸の藤井松四郎氏がすかさずセコンドしたのでようやく収まった。第10条私は人間社会の他のすべての人以上に、同僚であるロータリアンに義務を負うべきではない。ロータリーの神髄は競争ではなくて協力にあるからである。ロータリーのような機関は、決して狭い視野を持ってはならず、人権はロータリークラブのみに限定されるものではなく、人類そのものとして深く広く存在するものであることを、ロータリアンは断言する。さらに、ロータリーは、これらの高い目標に向かって、すべての人やすべての組織を教育するために、存在するのである。第11条最後に、「すべて人にせられんと思うことは、他人にもその通りにせよ」という黄金律の普遍性を信じ、我々が、すべての人にこの地球上の天然資源を機会均等に分け与えられた時に、社会が最もよく保たれることを主張するものである。

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