ロータリーの基礎知識 第3版
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よいよすべか須らく…べし=当然…をすること。けだ蓋し=本当に。確かに。(発語的にも使う)ごじん吾人=我々。私達。ろうだん壟断=うまく利益を独占すること。一人占め。みだれ紊る=統一がなくなり、順序がたたなくなる意。とじ徒爾=いたずらな様。無駄な様。(−に終わる)角逐=互いに相手を落そうと争うこと。互いに競争すること。かくちく大連RCの「ロータリー宣言」は次の通りです。1.須らく事業の人たるに先立ちて道義の人たるべし。蓋し事業の経営に全力を傾倒するは因って世を益せんがためなり。故にごじん吾人は道義を無視していわゆる事業の成功を獲んとするものに与せず。2.正否を曰うに先立ち、退いて義務を尽くさむことを思い、進んで奉仕を完うせんことを念う。自らを利するに先立ちて他を益せむことを願う。最も能く奉仕するもの、最も多く満たされるべきことを吾人は疑わず。4.義を以て集まり、信を以て結び、切磋琢磨し、相扶け相益す。これ吾人団結の本旨なり。然れども党を以て厚くすることなく、他を以て拒むことなく、私を以て党する者にあらざるなり。とじ5.徒爾なる角逐と闘争とは世に行わるべからず、協力を以て博愛平等の理想を実現せざるべからず。然り吾が同志はこの大義を世界に敷かむがために活躍す。吾がロータリーの崇高なる使命茲に在り。その存在の意義また茲に存す。すべかけだねがあるいしかかくちく***くみまっとみだれはなはしかこころうだん3.あるいは特殊の関係を持って機会を壟断し、或は世人の潔しとせざるに乗じて巨利を博す、これ吾人の最も忌むところなり。吾人の精神に反してその信条を紊るは、利のため義を失うより甚だしきは無し。(第1〜3田中毅氏「ロータリー歴史探訪日本編」より、第4、第5岩渕訳)2.事業の成功を考える前に、社会への義務を果たすことを考えて、奉仕に専念してください。自分の得を考える前に、他人に与えることを考えてください。「最も能く奉仕する者、最も多く報われる」ことを、ゆめゆめ疑ってはなりません。3.特別な関係による機会を利用したり、一般の人が決して取らないような機会に乗じて、大儲けをすることは、最も好ましくない行為です。ロータリーの精神に反して、ロータリーの信条を踏み外すことは、儲けるために、道義を踏み外すのと同じことです。4.正義を以て集まり、信頼を以て結束し、切磋琢磨して、お互いに助け合いお互いを利しましょう。これが私達の団結する趣旨です。仲間同士だけで懇意にすることなく、仲間以外を拒むこともせず、私利のために仲間を作るものではありません。5.無駄な競争と争いは行いません。協力をしながら博愛平等の理想を実現します。私達はこの博愛平等の理想を世界に広めるために活躍するのです。ロータリーの崇高な使命はここにあり、ロータリーの存在の意義もまたここにあるのです。−25−戦前の文章なので、なかなか理解することが難しい文章ですので、現代語訳を付けます。1.職業人である以前に、道義を重んじる人でなければなりません。自らの事業経営に全力を傾注するのは、社会に貢献するためです。従って、ロータリーは、道義を無視して、事業を成功させようという人の味方ではありません。原文は、漢文調の格調高い文章だと思いませんか?年度計画書に載せるのも一つですし、職業奉仕月間に唱和することも一つだと思います。少なくとも何度か声に出してこの名文を味わっていただければ幸いです。(2008〜09ガバナー月信Vol.12P2−3)

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