ロータリーの基礎知識 第3版
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−28−ラブの団体的行動は次のような条件の下に行うように勧められている。いずれのロータリー・クラブも、毎年度、何か一つの主だった社会奉仕活動を、それもなるべく毎年度異なっていて、できればその会計年度内に完了できるようなものを、後援することが望ましい。この奉仕活動は、地域社会が本当に必要としているものに基づいたものであり、かつ、クラブ会員の一致した協力を必要とするものでなければならない。これは、クラブ会員の地域社会における個々の奉仕を奨励するためにクラブが継続的に実施しているプログラムとは別に行われるべきものとする。5)クラブの自治権:各ロータリー・クラブは、クラブとして関心があり、またその地域社会に適した社会奉仕活動を自主的に選ぶことについて絶対的な権利をもっている。しかし、いかなるクラブも、ロータリーの綱領を無視したり、ロータリー・クラブ結成の本来の目的を危うくするような社会奉仕活動を行ってはならない。そしてRIは、一般的な奉仕活動を研究し、標準化し、推進し、これに関する有益な示唆を与えることはあっても、どんなクラブのどんな社会奉仕活動にせよ、それを命じたり禁じたりすることは絶対にしてはならないものとする。6)社会奉仕の活動指針:個々のロータリー・クラブの社会奉仕活動の選択を律する規定は別に設けられていないが、これに関する指針として以下の準則が推奨されている。a)ロータリーの会員の数には限りがあるので、ロータリー・クラブは、市民全体の積極的な支持なくしては成功しえないような広範囲の社会奉仕活動は、他に地域社会全体のために発言し、行動する適切な市民団体などの存在しない土地の場合に限り、これを行うこととすべきであり、商工会議所のある土地では、ロータリー・クラブはその仕事の邪魔をしたり、横取りをしたりすることのないようにしなければならない。しかし、ロータリアンとしては、奉仕を誓い、その理念の教えを受けた個人として、その土地の商工会議所の会員となって活動すべきであり、また、その土地の市民として、他の善良な市民と一緒に、広くすべての社会奉仕活動に関与し、その能力の許す限り、金銭や仕事の上でその分を果たすべきである。b)一般的に言って、ロータリー・クラブは、どんな立派な事業であっても、クラブがその遂行に対する責任の全部または一部を負う用意と意思のない限り、その後援をしてはならない。c)*ロータリー・クラブが奉仕活動を選ぶ場合に宣伝をその主たる目標としてはならないが、ロータリーの影響力を拡大する一つの方法として、クラブが立派に遂行した有益な事業については正しい広報が行われるべきである。d)ロータリー・クラブは、仕事の重複を避けるようにする必要があり、総じて、他に機関があり、それによって既に立派に行われている事業に乗り出すようなことをしてはならない。e)ロータリー・クラブの奉仕活動は、なるべく現存の機関に協力する形で行うことが望ましいが、現存機関の設備や能力が目的の遂行に不十分である場合には、必要に応じ、新たに機関を設けることにしても差し支えない。ロータリー・クラブとしては、新たに重複した機関をつくるよりも、現存の機関を活用することのほうが望ましい。f)ロータリー・クラブはそのすべての活動において、宣伝者として優れた働きをし、多大の成功を収めている。ロータリー・クラブは地域社会に存在する問題を見つけ出すことはしても、それがその地域社会全体の責任にかかわるものである場合には、単独でそれに手を下すようなことはしないで、他の人々にその解決の必要を悟らせる努力をし、地域社会全体にその責任を自覚させて、この仕事がロータリーだけの責任にな

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