ロータリーの基礎知識 第3版
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1985年と2008年のポリオ常在国を示す世界地図2008年7月に洞爺湖で開催されたG8サミットでも、「国際ポリオ根絶運動を支援するための−65−投与。成功を収める。1億2000万米ドルの寄付を誓約。疾病予防センター(CDC)が参加。る。資金的貢献を維持または増大させる」という合意がなされました。G8は8カ国(日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、英国、米国)ではありますが、資金的援助はポリオ根絶運動の総資金の半分以上を占めておりますので、大変強い味方です。日本政府は2008年も23億円拠出すると発表しています。2009年1月、ロータリーの国際協議会でビル・ゲイツ財団がRIに2.55億ドルの寄付を約束。これに呼応してロータリーも1億ドルの募金を約束しました。2007年11月からの通算では、ビル・ゲイツ財団3.55億ドル、RI2億ドル、合計5.55億ドルになります。3月号で、「ロータリーはポリオ撲滅のために2億4700万ドル集めた」と書きましたが、一体ポリオ撲滅までにどれだけの資金を必要とするのでしょうか。これは、「いつポリオを撲滅できるのか」という質問と同様、難しい質問です。1985年(アジア・アフリカ・中南米等多数の国)2008年(世界で4ヶ国のみ)2020年(世界で2ヶ国のみ)ロータリーを中心とするポリオ撲滅運動の主な出来事1978年:3Hプログラム開始。1979年:フィリピンで600万人を対象にワクチン1985年:RIが、「ポリオ・プラス」を開始し、1988年:世界保健機関(WHO)、ユニセフ、米国1994年:西半球が、2000年:西太平洋地域が、2002年:ヨーロッパ地域が無発生地域として宣言される。2004年:西アフリカと中央アフリカの23カ国において8000万人の子供を対象とした一斉全国予防接種日が行われる。2006年:歴史上、ポリオ常在国の数が4カ国とな2012年:インドがポリオフリーとなる。2020年:ナイジェリアがポリオフリーとなり、ポリオ常在国はパキスタンとアフガニスタンの2か国になる。4.ロータリーを中心とするポリオ撲滅運動の歴史(その2)先に述べた「宿主が人間のみであり、有効なワクチンが存在し、ワクチンの効果が一生有効である」理由だと思いますが、ワクチンの投与に従い、ポリオ・ウィルス常在国は消滅してゆき、2006年にはポリオ・ウィルスの常在国はナイジェリア、インド、パキスタン、アフガニスタンの4ヶ国のみになりました。5.資金面の推移「ポリオ撲滅」の約束を果たそう(2)

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