ロータリーの基礎知識 第3版
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ン世界のポリオ撲滅運動の中で特筆すべき日本人がいます。麹町ロータリー・クラブの会員であった山田ツネ氏(1924−88年)と峰英二氏(1920−89年、医師)です。山田氏は、ポリオ免疫プロジェクトを始めることになった動機を次のように話しています。「私がインドへ行ったときのことです。夜遅くまで続いた会議の帰り、ギョッとして立ち止まった。ガサガサと音がしたのです。犬か猫が餌をあさっているのかと、音の方向を凝視した時、月の明かりで私が見たものは、芝生の上をやせ細った少年が、手と肘を使って這っている姿でした。それは、今思い出しても胸が締め付けられるような痛々しい光景でした。多分幼い頃にポリオにかかり、足が麻痺してしまったのでしょう。この少年の姿を見たとき、私は、南インドの子供たちを日本人の手でポリオから救いたいとの思いが生まれたのです。」−67−日本にはポリオが存在しないので、ポリオ撲滅運動の実際の活動が分かりにくいことは事実です。RIやGlobalPolioEradicationInitiativeのホームページにロータリアンの活動が掲載されていますので、これらの記事から写真で示すことにします。ロータリアンはボートを漕いであるいはラクダに乗って、ポリオ・ウィルスの存在する僻地までワクチンを届け、子供達にワクチンの投与を行っております。生ワクチンは注射によらない経口ワクチンなので(医者でない)一般のロータリアンでもワクチンを投与することができるのです。山田氏は、1981年からボランティアとして、インドのハシカ免疫プロジェクトである4週間の奉6.ロータリアンの現地における活動エピローグ7.ポリオ撲滅に殉じた二人の日本人ロータリア

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